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【テニプリ】テニスの王子様 感想文①

※令和4年にテニスの王子様をめちゃくちゃ真剣に読んだオタクの感想文です。

テニスの王子様、新テニスの王子様のネタバレを含みます。最新SQまで。

※色々と好き勝手に書いてます。すみません。

 

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令和4年にテニスの王子様を全巻読み直したオタクの感想文①

1巻〜9巻

都大会ルドルフ戦まで

 

 

 

テニスの王子様、おもしれ〜〜〜〜〜‼️‼️‼️

 

 

 

いやめちゃくちゃ漫画うまくてめちゃめちゃ面白い。びっくりした。

キーワードの散りばめ方とキャラデザとキャラの使い方、うますぎる。

スポーツ漫画を描くのうますぎ。

 


この辺読んだのなんか本当に10年以上前で記憶マジでなくて、校内ランク戦とかほぼほぼ覚えてなかったけどたしかに海堂薫乾貞治、試合したな……とか神尾元気でかわいいな、とか観月はじめ顔めっちゃかわいいな、とかね、そんなレベルだったんですけど……

 

 

テニスの王子様序盤、特に乾貞治の使い方がマジでうまいです。

 

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データを愛しデータに愛される男。


あのですね、ここで乾貞治をレギュラー落ちさせることによって乾貞治とかいう『解説役』に最適な『データ』キャラクターを試合中に違和感なく喋らせることが可能になり、かつ『コーチ役』も担わせることによって試合と試合の間に挟まるいわゆる『修行回』を最低限の話数で消化することが可能になるので、序盤とは思えないほどにストーリーのテンポがめちゃくちゃ良いんですよね。

そもそも9巻ですでにルドルフ戦なのがこのテンポの良さを体現していると思うんですが、まあ読み進めるのにストレスがないのが素晴らしい。

それもこれも序盤に乾貞治を『解説』に回すことによって、読者に違和感とストレスなく『解説』を読ませることに成功してるんですよ。

 


スポーツ漫画において最も重要なのはこの『解説』をいかに読者に違和感なく読ませるかだと思っていて、その点で乾貞治はマジでスポーツ漫画界における大発明と言っても過言ではないです。

というのも繰り返すようですが彼は『データテニス』を得意とするいわゆるブレーン系のキャラで、だからこそ『試合中に成長することで対戦相手の全てを凌駕していく』主人公越前リョーマの序盤の相手としても最適なんですが、閑話休題

つまりですね、データテニスを得意とする乾が試合中に専門家じみたコメントをするのはあまりにも『当たり前』なんですよね。

だって乾はデータを収集するのが大好きなので、自分のチームメイトはおろか対戦相手の情報も全て知っており、なおかつ試合中に初めて見せる情報にも即座に対応するわけですよ。

しかもこの、基本的には全ての情報を持っているというデータキャラを乾が確立させていることによって『乾が知らない情報』が出てきた瞬間に、読者にもいまスゴイことが起こってる!という説得力が逆説的に生まれるという仕様。凄まじい。

しかも毎回解説してくれる乾に親しみを覚えることで、乾がレギュラー復帰した時の喜びもまたひとしおという……序盤でリョマに負けた乾と海堂薫のダブルスがゴールデンペア以外でほぼ唯一まともに機能しているダブルス("シングルスのための"ダブルスと銘打って噛み合ってるのがすごく良い、これはまた関東氷帝あたりで後述します)なのも激アツですよね。

乾貞治と1年生トリオという、『専門家』と『初心者』が序盤から解説席に陣取っているおかげで、我々読者は『テニスを知らない』『ルールがわからない』『なんかスゴイことが起こってるけどよく分からない』という違和感を当たり前のものとして(1年生トリオが我々の代わりに驚いてくれるし、乾は分からないことを丁寧に教えてくれるので)受け入れて試合を読み進めることができるんですね。


そしてこの解説の基礎がしっかりしているからこそ、それ以外のチームメイトや相手チームの選手から出てくる『追加情報』が効いてくるわけです。

例えば『新技の開発エピソード』だったり『キャラの人格形成やプレイスタイルに関わる過去エピソード』であったり……単純なデータ以上の、言うなれば各キャラに肩入れした情報ですね。

これを追加情報としてスルッと受け入れられる姿勢を読者側が自然と取れるのがすごいんですよ。

なぜならこの『追加情報』こそが試合の流れ、ストーリーを盛り立てる最重要パーツだからです。

ここに注目してもらわないとただだらだらとボールを追いかけるだけになってしまいますから、ここをいかに『重要なもの』として読者に与えるかがキモなわけです。

これをテニプリは序盤からめちゃくちゃ器用にこなしているのがすごいですね。

 

テニプリって試合ごとにスピード感やキャラの魅せ方が全然違って、どの試合を読んでも新鮮で『ダレ』ないんですよね。

テニスって基本的に個人競技なので、対戦キャラの組み合わせがめちゃくちゃ重要なんだなと思い知りました。これが本当にうまい。

おそらく主人公たる越前リョーマ、および主人校たる青学を中心に相手キャラ、相手校を生み出して試合を組み立てていると思うんですが、この噛み合い方が異常ですね。

必要な時に必要なキャラと試合が用意されてる感じが読んでいて気持ちいいです。

 

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深司との試合とかまさにね。

 


と、のっけからテニプリの、スポーツ漫画としての格の違いを見せつけられてワクワクしちゃったのでもはや序盤とか超えて作品全体の感想みたいになっちゃったんですけど、序盤にも激ヤバエピソードたくさんあります。あるよね。みんな知ってますよね。

 


私情抜きで9巻まででストーリーの主軸として最も盛り上がりを見せた最高の試合はルドルフS3だと思ってるんですけど、

なぜならこの試合は9巻までで最も越前リョーマの主人公としての成長が見られる試合だからです。序盤ではピカイチで、良い。素晴らしい試合でした。

 


この試合に至るまでにかの有名な『お前は青学の柱になれ』が入るんですけど、これが入るタイミングがマジで完璧ですね。

テニプリ知らん人でも知ってるこの『青学の柱』は最終話まで続く超重要キーワードな訳ですが、これがこんな序盤に、6巻で出てくるなんて誰が想像できるでしょうか、いやできない、逆を言えばここで出てくる『青学の柱』が文字通り物語における柱にもなるのが、本当に、すごい。

許斐剛、こういうのめちゃくちゃうまいですね。

 

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青学の柱って何なんだ……


この『青学の柱』話の前の回で南次郎が『リョーマのテニスは未だ俺の模倣だ』というような事を言うんですがこれは実際その通りで、リョマは登場からずっと周囲の人たちを型破りなプレイスタイルで翻弄し続けてるんですが、その自由奔放なスタイルこそが親父の模倣という皮肉めいたレトリックが秘められてるんですね。

これ別に悪い事でもなんでもなくて、リョマは親父からテニスを教わり、親父を超えたくてテニスをやっていて、ずっと親父の背中を見続けてきているので、そりゃ越前南次郎のテニスになるのは必然なんです。

でもそのままでは当然のことながら越前南次郎は倒せないし、他でもない越前南次郎自身がそれを惜しいと思っている。

だから色んな奴と戦って色んなテニスを知って、そして自分を超えてほしいと思ってるわけですよね。

こればかりは越前南次郎には与えられない『気づき』であるので、余計に歯痒く思っている。

 

そして手塚はそんな越前リョーマのテニスの本質を真っ先に見抜く。この辺り手塚は流石に見る目がある。

手塚、自分で何でもできてしまうあまりに指導者として向いてなさ過ぎるから常に背中で語ることしか出来ないけど、奇跡的に越前リョーマにはそのタイプの『壁』がまさに必要だったわけで、よかったな手塚国光…………

手塚はずっと誰よりも強くて、青学を頂点に導くために『柱』として粉骨砕身してきて、およそ青春のすべてを賭けてきたと言っても過言ではない。

しかし自分はもう3年、最後の夏、この先の青学に対する不安がないと言えば嘘になる……という時に才能があり負けん気が強くコートの向こうの奴ら全員を倒したいなんて言うくらい生意気でそして誰よりもテニスが大好きなスーパールーキーが入部してきて誰よりも、本当に誰よりも嬉しかったんでしょうね。

嬉しかったし安心したんだろうな。

だからあんなタイミングで……冷静にすごいタイミングですよ、だってまだ入部して間もない1年生に、しかも大会が始まったばかりの頃合いにお前は青学の柱になれ!とか、言います!? 言わないよ普通!

でも手塚は大和くんに託されたあの日からずっと『青学の柱』としてやってきて、これをまた誰かに引き継がなきゃならないって、心のどこかでずっと焦りを抱えてたんでしょうし、色々な選手と戦う機会としては絶好すぎる夏の大会序盤で『青学の柱』=更なる成長を意識させる必要があったんだなぁって今では思いますね。

いやぁ本当に手塚はリョマを可愛がっているし、彼を待ち望んでいたのがよく分かる。

 

で、リョマにしてみてもこれは結構な大イベントで、というのもリョマにとって強くて倒したい相手って親父しかいなかったんですよね。

親父に憧れながら、親父を倒すのだけを目標にしてきた。

そんなリョマがここで手塚にボコボコにされる事で、親父以外にも強い奴はいるんだ!と、ともすれば当たり前の事実を突きつけられるわけですよ。

しかも所属している部活動の部長に。

幼い頃からテニス一筋で親父以外にはほとんど負けなしで来ているであろうリョマにとって、自分を叩きのめせるほどの実力者がいるというのはなによりも幸運だろうし(不二周助との試合の時も同じような事を言いますが)本当に青学に入って良かったと心から思ったはずです。

親父を倒したいという目的は変わらないものの、親父以外の強いやつも、コートの向こう側にいるやつは全員倒したい!て改めて決意するんですよね。

 

そんなリョマだからこそルドルフS3で裕太くんに対して「俺は上に行くよ!」を言えるんですよ……………………ここガチでアツかったな………………………………

 

対戦相手の不二裕太くんは兄にコンプレックスを持っていて、兄と比べられるのが嫌で、そして兄に勝ちたいと願ったからルドルフにいる。

つまり親父に固執していた、ルドルフ戦直前の越前リョーマの鏡写しなんですよね。

 

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あくまで兄貴にこだわる裕太くん、芯のある男ですよ。

 

この……手塚にボコボコにされて親父以外にも目を向けて『青学の柱』を意識した直後に不二裕太くんとの試合があるのはマジで漫画が上手すぎる。

だってあのくだりがなかったら「強いのはアンタの兄貴だけじゃない」「俺は上に行くよ!」は出てこないし言えないはずなんですよ。

まあ裕太くんはこのセリフを受けてあいつとは真正面からやらせてください!(≒でなければ兄貴を超えられるわけがない)とか言えるし全国を経てもやっぱり兄貴はすごい、兄貴を超えたい!と心の底から言ってくれるあたりがま〜ためちゃくちゃ良い子で最高なんですけど閑話休題

この辺りから許斐剛、作画もめちゃくちゃ良くて、マジでこの試合のリョマ見せゴマは全部500億点ですよ。

まだまだだね!も俺は上に行くよ!も本当に5000億点。おめでとうございます。

 

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序盤でいちばん良かった。ピカイチ。最高。

 

 

 

はい。というわけでこの後は私情です。

雑多過ぎるので箇条書きします。

 


・焦らされまくる橘桔平

諸事情あって序盤からめちゃくちゃ橘桔平のことを注視しながら読んでたんですけど、こんなに橘桔平を注視しながら読むのは初めてで新鮮でした。

橘桔平、やることなすこと男前すぎる。

試合に出てくれないからどういう人なのか手塚レベルで謎なのに、不動峰のみんなはめちゃくちゃ橘桔平のこと好きだし橘桔平も貫禄があり過ぎるで、正体がわからないままに好感度だけが上がる。

いやマジで9巻に至るまで橘桔平の正体がわからないとは思わなくてめっちゃ戸惑ったんですけど、だって橘桔平なんかもうめちゃくちゃ序盤から出てくるのに誰も思い出してくれなくて!!!

みんなーー!!思い出せよ!!!!!!

いたじゃん!!!九州に!!!橘って名前の!!!全国区の、有名な、選手がーーーー!!!!!!!

という気持ちで地区大会とか読んでたけどまさか9巻までかかるとは、ね。

9巻後半で宍戸がボコボコにされるまで誰も橘桔平のこと思い出してくれなくてハラハラしました。

一生思い出してくれないのかと思った……だってみんな「橘、どこかで聞いたことが……」ってもう後ちょっとじゃん!もう少し頑張れば思い出せるじゃん!!!!!!!

散々焦らされて焦らされてようやく明らかになった橘桔平が全国区でかつては九州にいたという事実!!!!!しかもかなりのイメチェンをしている!!!!!

謝りました。

ごめん、こんなに髪型変わってて、しかも不動峰なんて聞いたこともないような無名校(悪口じゃないです)にいるなんてみんな想像もできなかったんだよね、ごめんね。私も分からないと思います。

宍戸はボコボコにされた挙句この後断髪まで待ってるしジロちゃんは叩き起こされるしで実家は散々だけど、やっと橘桔平のことが知れて私は大喜びしました。

だってマジで9巻までかかると思わなかったから………

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いやカッコ良すぎるんだよな。リアルルーキーズだから台詞の重みが違うし……

 


・黄金ペアに頼りすぎな青学

青学は黄金ペアが安定すぎてここは絶対勝つから!という前提でD2が完全に実験枠になってるの面白い。

毎回これいけるんじゃない!?てテトリスやってるだけなんだよな。

というか青学、全員が死ぬほど負けず嫌いで他の誰にも負けたくないと思ってる真性のシングルスプレイヤーが多すぎて、マジでみんなダブルス向いてない

さすが主人校。やはり全国優勝するならこうでなくちゃな。

青学は根性と忍耐で全国優勝しますからね(過言)。

 

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ルドルフD1で黄金ペアが負けた時本当に「やべえ……」と焦りました。だっていつも勝ってくれるから……


・千石清純

また次でこの話するかもしれないんですけど、あの………………最近のSQで千石清純とリョマが試合を…………してるんですけど、思い返せばこの二人の対峙も相当前の話で、あの時の二人がいままさに試合をしてるんだと思ったらなんかすごい感慨深くて、あんまり千石清純に感情持ってた記憶ないんですけど、この先も千石清純………………………になるタイミングが度々あるので予告しておきます。

あいつは、すごい。

 


・神尾アキラ元気いっぱいでかわいい回

あと面白かったのは不動峰戦後の日常回で、桃城武が神尾くんのチャリぶん取ってひったくり追いかける回があるんですけど、これのアニメ回をめちゃくちゃ覚えてて、何でこの回だけすごい見覚えあるんだろう⁉︎ と思ったら答えは簡単でした。

跡部景吾くんが出てくるからでした。

マジで記憶の残り方が素直すぎてめっちゃ笑いました。

杏ちゃんにめちゃくちゃ嫌われる跡部景吾くん、良いですよね。

杏ちゃんいまでも跡部くんのこと嫌いなのかな、いや杏ちゃんは良い女だからきっと跡部くんのことも見直してるかな……

 

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チャリ爆走回だいすき。


桃城武の彼氏力

桃城武、マジで彼氏力(ぢから)が強すぎて脱帽なんですけど……前述した杏ちゃんとのくだりもそうだし、こう、なんなら序盤からずっと誰に対しても自然に彼氏ムーブできるのがすごい。普通にいい奴なんだと思う。

私は全国決勝でリョマが記憶喪失になって記憶取り戻して勝つまでのくだりがなんか昔からめちゃくちゃ好きなんですけど、これはそんな最後の最後まで効いてくる話で、何かっていうと越前リョーマを迎えに行くのはいつだって桃城武の役割なんだなってことです。

これめっちゃ良い、嬉しい。

桃城武、めっちゃ良い先輩だしリョマとも相性が良いしで、初めてのダブルス相手だしいつも気にかけて目かけてくれるし、朝練も迎えにきてくれるし自転車乗せてくれるし、リョマも手塚とか不二とかには違う角度から桃城武に相当懐いてると思うんですけど、そんな桃城武が最後の最後まで越前リョーマを迎えにきてくれるのが今更なんかすっげ〜嬉しくてめちゃくちゃ嬉しい。

桃城武、良い男だな……私は努力の男が大大大大大大好きなので序盤から永遠に株が上がり続ける海堂薫もめっちゃ良い男だと思ってるんですけど、この二人の『良い男』も方向性が違うのわかってめっちゃいいですよね。

来年の青学も安泰ですよ。

 

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この頃からずっと迎えに来てくれる。やさしい。


観月はじめ顔可愛すぎ、木更津淳顔良すぎ問題

いや木更津淳マジで顔良すぎてずっと木更津淳顔良すぎでは!?て言いながらルドルフD2読んでました。

あんなに顔良かったっけ!?

 

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超絶顔が良い。

 

この頃から許斐剛の作画が純粋に上手くなってきて、キャラの顔面アップとか見開き見せゴマとか既にもう目覚ましい成長を見せておりまして、これは関東序盤六角あたりでまた加速度的に感じることにはなるんですが、まあ木更津淳顔が良い。

観月はじめは記憶よりもめっちゃ顔可愛くてお前そんなに顔可愛かったっけ!?てずっとびっくりしてたんですけど木更津淳に関しては本当に顔がずっと良かったからシンプルにびっくりしました。

青学2年コンビのいざこざもここでガッツリ描かれるわけだし、D2はオチも含めて読んでてめちゃめちゃ楽しいですよね……いや4thマジで楽しみだな……

 

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かわいい〜〜〜大好き〜〜〜〜‼️‼️‼️

 

 

 


というわけで9巻までの感想でした。

大体1日9巻のペースで読み進めていたので(平日にこのペースで読んでいたので異常、というか我慢が効かなかった)、感想も同じ区切りでいきたいと思います。

次回は都大会山吹からです。

よろしくお願いします。